山田養蜂場運営の研究拠点「山田養蜂場 健康科学研究所」が発信する、情報サイトです。ミツバチの恵み、自然の恵みについて、予防医学と環境共生の視点から研究を進めています。

「健やかに」発刊録

ブルーベリー ブルーベリーのアントシアニンには目にやさしい働きが!

青紫の色素が目の健康を守る

テレビやパソコン、夜更かしをする生活など、目を疲労させることが多い環境です。また、目の病気には年齢とともにリスクが高まるものがあります現代社会は、テレビやパソコン、夜更かしをする生活など、目を疲労させることが多い環境です。また、目の病気には年齢とともにリスクが高まるものがあります。
そんな目の健康を守るために、「アントシアニン」という成分が役立つといわれています。アントシアニンは、ポリフェノールの一種で、青紫の色素成分。強い抗酸化作用があることも知られています。ブルーベリーや、ぶどう、なす、さつまいもの皮などに含まれています。
アントシアニンが豊富に含まれている、ブルーベリーの仲間のビルベリーを用いた研究を紹介します。

ピント調節機能と動体視力が改善

コンピュータを使う仕事に携わる男性10人を2グループに分けて試験が実施されました。一方のグループにはビルベリージュース(*)を、もう一方のグループにはプラセボ(※1)ジュースを1日3回、7日間飲み続けてもらいました。試験は二重盲検(※2)法で行われました。

その結果、7日間の飲用後にビルベリー飲用グループは、プラセボ飲用グループよりも「目のピント調節機能」がよくなっていました。

グラフ1 飲用後のピント調節機能の比較

また、ビルベリー飲用グループは、飲用開始前と比較して「動体視力」が改善されていましたが、プラセボ飲用グループでは有意な変化がありませんでした。

グラフ2 動体視力の比較


にんにく 身近な食品、にんにくは生活習慣予防にも!

疲労回復だけでないにんにくの健康作用

XXXにんにくは、私たちにとても身近な食品。スタミナをつけたいときや、疲労を回復したいときに食べるといったイメージがありますが、それ以外のさまざまな健康作用に関する報告があります。たとえば、「血栓(けっせん)ができるのを防ぐ」「糖の代謝を促進する」「免疫力を高める」など。また、にんにくを発酵させるといくつかの作用が高まるという研究報告もあります。 ここでは、メタボリック症候群の要因のでもある「脂質異常」に関する研究を紹介します。

研究 メタボ 発酵黒にんにくパウダー試験で悪玉コレステロールが減少

メタボリック症候群は、内臓の周囲に脂肪がつく「内臓脂肪型肥満」に加えて、高血糖、脂質異常、高血圧の3要素のうち2つ以上があてはまる状態です。この状態になると、動脈硬化が急速に進行し、心筋梗塞や脳卒中など命にかかわる病気を招く危険が高まります。
メタボリック症候群の要因のうち「脂質異常」について、発酵黒にんにくの作用を調べる研究が行われました。

30~40代で、BMI(*)25以上の肥満男性6人を対象として試験が実施されました。6人に発酵黒にんにくパウダー1000mgを毎日、6週間飲用してもらい、血液などを分析。その結果、血中脂質のLDL(悪玉)コレステロール値が減少する傾向があることがわかりました。

血中脂質のLDL(悪玉)コレステロール値が減少する傾向があることがわかりました。

また、この研究では、発酵黒にんにくと生にんにくの「抗酸化作用」の差が調べられました。メタボリック症候群になると動脈硬化を進行させる原因の一つである活性酸素が増加します。測定の結果、発酵黒にんにくの抗酸化作用は、生にんにくの10倍もあることがわかりました。


マカ 生命力の強いマカは女性にも男性にも活力の源に!

厳しい自然環境で育つ栄養価の高い根菜

マカは、南米ペルーを原産とするアブラナ科の根菜です。過酷な自然環境で育つマカは、大地の栄養をたくましく吸収する力を持ち、高い栄養価があることで知られています。
マカに含まれる成分は、必須アミノ酸、ビタミン類、ミネラル類、そして特有成分のベンジルグルコシノレートなど。この特有成分は性ホルモンに作用するといわれ、現地では伝統的に、滋養強壮、月経不順、不妊症などを助ける目的でも利用されてきました。
近年では、マカの成分分析とともに、さまざまな研究が行われています。その中から、男性の不妊症にかかわる研究を紹介します。

研究 生殖機能 男性の不妊症を改善する可能性

健康な9人の男性を対象として、マカの飲用によって精液量や精子機能が変化するかを調べる試験が行われました。
9人のうち6人にマカ1500mg、3人に3000mgのマカを毎日、4ヵ月間飲用してもらいました。
飲用開始前と4カ月飲用後で比較したところ、精液量の増加(グラフ1)、運動精子数の増加(グラフ2)、精子の運動性a+b(*)の増加(グラフ3)が認められました。また、飲用量による結果の差はありませんでした。

グラフ

この結果から、マカの長期的な飲用が精子産生や精子運動性を改善する可能性が示されました。

前のページへ

次のページへ

5/7