女性の「冷え症」に対するローヤルゼリー摂取の効果
愛媛大学大学院 医学研究科 山田 典子(2008年度採択)
愛媛大学大学院医学研究科の山田典子氏らの研究グループは、冷え症と診断された若年女性24名(平均年齢25.5歳)を、ローヤルゼリー低用量群(1.4 g/日:生換算量4,200 mg/日相当)、ローヤルゼリー高用量群(2.8 g/日:同8,400 mg/日相当)、ローヤルゼリーを含まない偽薬群の3群に8名ずつ振り分けて、試験食を2週間摂取してもらい、冷え症の改善作用を多角的な方法で評価した。
まず主観的な評価として、摂取前後に、手や足、腰の感覚を「まったく温かくない」から「非常に温かい」までの程度で答えてもらった。その結果、偽薬群では、摂取前後で変化は認められなかったが、ローヤルゼリー低用量群および高用量群では、摂取前よりも摂取後の方が、手、足、腰が温かく感じられることが明らかとなった。
次に客観的な評価として、安静時の手指の表面温度をサーモグラフィによって測定したところ、低用量群は偽薬群に比べて著しく高く、高用量群も高くなる傾向が認められた。
また、摂取後に、緩和な寒冷ストレス負荷試験を行った。これは、20℃の冷水に両手を1分間浸してから、速やかに水分をふき取り、サーモグラフィによって1分ごとに手指の表面温度を測定し、体温の回復の早さを調べるものである。
その結果、高用量群の皮膚の表面温度は、寒冷ストレス負荷後4分から11分まで、偽薬群に比べて著しく高く、早く回復することがわかった(写真)。
以上の結果から、ローヤルゼリーが、冷え症を効果的に改善する食品であることが示された。特に寒冷ストレスに対する抵抗性を高めるためには、高用量のほうが有効であると考えられる。冷え症の改善は、冷えの苦痛を和らげるだけでなく、冷えによる健康障害を予防することから、ローヤルゼリーはさまざまな年代の女性の健康維持に役立つことが期待される。