山田養蜂場運営の研究拠点「山田養蜂場 健康科学研究所」が発信する、情報サイトです。ミツバチの恵み、自然の恵みについて、予防医学と環境共生の視点から研究を進めています。
本格的な寒さを迎えるこの季節、食欲の秋を満喫した胃や腸はちょっとお疲れ気味かもしれません。食後に胃もたれを感じたり、便秘や下痢になってしまったり……。冷えと重なって、なにかと胃腸のトラブルが起こりやすくなります。
そんなときに行っていただきたいのが、今回ご紹介する「ゆりかごの体操」。体をゆらゆらゆっくり揺らすと、内臓がやさしく刺激されます。すると、内臓へ流れ込む血量が増えます。その結果、胃や腸の働きが活性され、リフレッシュするのです。
適度に腸を刺激する「ゆりかごの体操」は、便秘解消にも役立ちます。なお、食後すぐには行わないようにしましょう。
「ゆりかごの体操」のコツは、決して無理をしないこと。動かせる範囲でゆっくりとリラックスして行いましょう。また、食後すぐに行うと消化吸収を妨げることもあるので、30分以上、時間をあけて行ってください。
指導・監修
野村喜重郎先生
湘南予防医学研究所所長・野村消化器内科院長。信州大学医学部卒業後、東京大学医学部第2内科に入局。茅ヶ崎市立病院消化器科部長などを経て、2000 年、野村消化器内科を開院。
ビタミンというと、肌や目によいビタミンA、さまざまな働きがあるビタミンB群(B1、B2、B6、B12)、ひき始めの風邪に効くビタミンC、丈夫な骨や歯を作るビタミンD、若さを保つビタミンE、健康な血液に不可欠なビタミンKを思い浮かべます。 ところが、厚生労働省が定めた栄養機能食品には、前述のビタミン9種類に、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、ビオチンを加えた合計13種類のビタミンが入っています。この4種類は、発見された順にビタミンB3(ナイアシン)、ビタミンB5(パントテン酸)、ビタミンB9(葉酸)、ビタミンB7(ビオチン)など、ビタミンBの名前がありました。現在では、新旧8種類あるビタミンBの仲間を「ビタミンB複合体」と呼んでいます。それぞれの栄養素には次のような働きがあります。
●ナイアシンは、皮膚や粘膜の健康維持を助け、悪玉コレステロールを減らす働きがあり、タラコ、マグロ、カツオなどに多く含まれる。1日に摂りたい目安量は約15㎎だが、これはタラコ2分の1腹、マグロ・カツオ1切れ分に相当する。
●パントテン酸は、糖質・脂質の代謝を助け、体内で化学化合物を分解する働きがあり、鶏(牛・豚)レバー、大豆などに多く含まれる。1日に摂りたい目安量は約5㎎で、これは牛レバーで約3切れ、大豆で約2カップに相当する。
●葉酸は、赤血球の形成を助け、胎児の発育に寄与する、妊婦にうれしい栄養素。鶏(牛・豚)レバー、枝豆、芽キャベツなどに多く含まれる。1日に摂りたい目安量は約240μg。食事だけでは葉酸が不足しがちな妊婦にはサプリメントでの補給もおすすめ。
●皮膚炎を治す実験から発見されたビオチンは、肌と髪を健康に保つ栄養素。牛レバー、大豆、卵黄、カリフラワーなどに多く含まれる。1日に摂りたい目安量の約30μgは、カリフラワーで約半個分、大豆で4分の1カップ分に相当する。
原山建郎
健康ジャーナリスト。1984 ~ 90 年まで『わたしの健康』(主婦の友社)編集長。2003 年よりフリージャーナリストとして、健康・医療分野を中心に本格的な執筆活動を行っている。