山田養蜂場運営の研究拠点「山田養蜂場 健康科学研究所」が発信する、情報サイトです。ミツバチの恵み、自然の恵みについて、予防医学と環境共生の視点から研究を進めています。
高血圧は、日本人にとても多い病気です。「2010年国民健康・栄養調査」では、30歳以上の男性60.0%、女性44.6%が高血圧(140/90mmHg以上、または血圧を下げる薬を服用している)という結果になりました。 高血圧を放置していると、日本人の死亡原因として、1位の「がん」に次いで多い「心疾患(狭心症や心筋梗塞)」や「脳血管疾患(脳出血や脳梗塞)」を引き起こす可能性が高まります。そうなる前に、まず、食生活や運動習慣などを見直して、積極的に改善したいものです。
生活習慣を変えていくためには、長距離を走るような根気強さが必要になるかもしれません。努力をするうえで、サポートしてくれるものがあると心強いですね。
食生活を補助する健康食品として、食品由来の生理活性ペプチドが注目を集めています。その中には、高血圧を改善する作用のあるペプチドがあることもわかっています。
そこで、ペプチドを豊富に含む酵素分解したローヤルゼリーのタンパク質加水分解物(以下、ローヤルゼリーペプチド)について、臨床試験を行いました。
臨床試験は次のように行いました。
(1)血圧が高めの人(最高血圧130~159mmHg、最低血圧85~99mmHg)を、年齢・血圧・BMI(体重指数)にバラつきがないよう2グループに分けました。
(2)1つのグループは、1日1000mgのローヤルゼリーペプチドを含む錠剤を、もう一つのグループは、ローヤルゼリーペプチドを含まない錠剤(以下、プラセボ)を12週間摂取しました。
ローヤルゼリーペプチドを摂取したグループでは、最高血圧と最低血圧の両方が、摂取10週間後と12週間後に低下しました(グラフ参照)。また、ローヤルゼリーペプチドによる副作用は認められませんでした。
ローヤルゼリーはこれまでにも長い間、多くの人に飲用されていますが、この臨床試験により、ローヤルゼリーペプチドは、適度な血圧改善作用を持つことがわかりました。
生活習慣を改善しながら、補助として健康食品を上手に取り入れることは、高血圧の発症を防ぐための有用な手段になるでしょう。