山田養蜂場運営の研究拠点「山田養蜂場 健康科学研究所」が発信する、情報サイトです。ミツバチの恵み、自然の恵みについて、予防医学と環境共生の視点から研究を進めています。
人の腸内には、さまざまな“菌”が棲んでいます。健康によい働きをするものが「善玉菌」と呼ばれ、その代表が乳酸菌です。
人の腸の中で「善玉菌」として健康によい働きをする乳酸菌は、自然界にも広く存在します。人間は古くからこの乳酸菌を利用して、乳製品のヨーグルト、チーズ、発酵バターなどや、味噌、しょうゆ、漬物など多くの発酵食品を作り、これらを食べることで健康を支えてきました。
それでは乳酸菌、つまり善玉菌は、どのように私たちの健康を支えているのでしょう。主な働きとしては、
①病原菌が体内に侵入するのを防ぐ
②悪玉菌の増殖を抑える
③腸の運動を促して便秘を防ぐ
④免疫機能に作用して体の状態を調整する
――などが挙げられます。
これに対して悪玉菌は、腸内のタンパク質を腐敗させて有害物質を作ったり、腸内環境を悪化させて生活習慣病を招く要因になるなど、健康に悪い影響を及ぼします。悪玉菌の害を減らすためにも、②の働きを持つ乳酸菌が大切なのです。
乳酸菌には、生きたまま「生菌」として腸に到達するもの、胃酸などにより腸に届く前に「死菌」となるもの、熱処理をすることにより摂取する前に「死菌」となっているものがありますが、「生菌」であっても「死菌」であっても、体によい働きをすることがわかっています。
腸内環境を良好に保つためには、乳酸菌を毎日摂ることが大切です。摂取の目安量は、健康な人の場合で20 億個程度といわれ、ヨーグルトでは200mlに含まれています。もう少し多く乳酸菌を摂りたい場合や、毎日確実に摂りたい場合などには、食事だけでは摂りきれないことがあるかもしれません。そんなときは、加熱した乳酸菌でも、体の中できちんとよい働きをすることを思い出してください。サプリメントなどを上手に利用して、ご自身に必要な量の乳酸菌を摂ることが、毎日の健康維持に役立つでしょう。