山田養蜂場運営の研究拠点「みつばち健康科学研究所」が発信する、情報サイトです。ミツバチの恵み、自然の恵みについて、予防医学と環境共生の視点から研究を進めています。

「健やかに」発刊録

みつばち産品の紹介&研究報告

ミツバチはさまざまな生産品をつくり出し、人にもその恵みを与えてくれています。代表的なみつばち産品と、その科学的研究を紹介します。

ローヤルゼリー

ローヤルゼリー働き蜂が花粉を体内で消化・分解して生成します。女王蜂に与えられる特別な食べものです。
女王蜂は、働き蜂と比べて身体が2~3倍と大きく、寿命は30~40倍にもなり、毎日1000~1500個の卵を産み続けます。
卵のときは、女王蜂と働き蜂との違いはまったくありません。卵からかえり、ローヤルゼリーを与え続けられたミツバチだけが女王蜂になります。つまり、ローヤルゼリーは女王蜂の日々の食糧であるだけでなく、女王蜂を誕生させる食べものなのです。

プロポリス

プロポリスミツバチが植物の樹脂や新芽からつくり出すもので、花粉やミツバチの唾液なども含まれています。
樹脂や新芽には、植物が自分を守るための物質が含まれていますが、そこからつくり出されるプロポリスには抗菌作用があります。そこで、ミツバチは巣にプロポリスを塗りつけて、巣内での菌の増殖を防ぎ、巣を清潔に保っているのです。
プロポリスの語源は、都市(ポリス)の入り口(プロ)を守り、敵の侵入を防ぐというギリシャ語とラテン語に由来しています。

蜂の子

滋養のある食べものとして古くから親しまれています。中国でも数千年の歴史があり、世界各地で貴重な健康食材とされています。日本では、とくに長野県や岐阜県の郷土料理が有名です。
蜂の子は現代の栄養学でみても、全種類の必須アミノ酸をはじめとする数十種類のアミノ酸や、ビタミン、ミネラル、良質な脂肪酸などが含まれている栄養価の高い食品です。近年の研究で、耳の健康や、免疫力を高める可能性などが報告されており、さらなる研究が進められています。

プロポリス研究① 風邪の治りを早める プロポリスの飲用で風邪の治りを早め、だるさも軽減!

試験方法

20~69歳の59人の成人男女を被験者としました。

①グループを2つに分け、一方はブラジル産プロポリスエキス入りカプセルを、もう一方のグループはプラセボ()を、それぞれ60日間飲用。

②この間、毎日日誌をつけてもらい、風邪の自覚症状の有無と、体調の自覚症状の程度を1~5のスコアで記入してもらいました。

※プラセボ 被験者が「有効成分が入っている」と思い込む影響(プラセボ効果)を除くために用いられる偽薬や試験食。ここでは、見た目はプロポリス入りのカプセルと同じだが、プロポリスを含んでいないカプセルのこと。

結果

風邪が治るまでの日数は、プロポリス飲用グループはプラセボ飲用グループよりも平均1.3日短くなりました。

風邪が治るまでの日数は、プロポリス飲用グループはプラセボ飲用グループよりも平均1.3日短くなりました。

また、プロポリス飲用グループのほうが「体のだるさ」の自覚症状が軽くなりました。

プロポリス飲用グループのほうが「体のだるさ」の自覚症状が軽くなりました。

この結果により、プロポリスの飲用が風邪の治りを早めることや、症状を軽減する可能性のあることが示されました。

プロポリスの飲用が風邪の治りを早めることや、症状を軽減する可能性のあることが示されました。

プロポリス研究② 抗インフルエンザ ブラジル産プロポリスがインフルエンザ予防に役立つ可能性!

インフルエンザウイルスには、冬季に流行する「季節性インフルエンザウイルス」と、季節性のウイルスが少なくなる夏季に現れて重い症状を引き起こす「新型インフルエンザウイルス」があります。
その両方のインフルエンザウイルスに対して、ブラジル産プロポリスの作用を調べました。

試験方法

①さまざまな濃度のブラジル産プロポリス水抽出液を用意(A)

②さまざまな濃度のブラジル産プロポリス含有液(主成分のプロポリスのほか、抗菌力が高いことでしられるマヌカ蜂蜜や緑茶エキスなどを含有している)を用意(B)

③培養細胞に、「季節性インフルエンザウイルス」または「新型インフルエンザウイルス」を添加。

④ ③に(A)または(B)を添加したものと、何も添加しなかったものについて、3日後に生き残っている細胞の数を調べた。

結果

何も添加しなかった③は、細胞がほとんど死滅していました。
これに対して、(A)を0.04%以上の濃度で添加したもの、(B)を0.06%以上の濃度で添加したものは、細胞の死滅が抑えられました。
この結果から、ブラジル産プロポリスが季節性および新型インフルエンザの予防に役立つ可能性が示されました。

ブラジル産プロポリスが季節性および新型インフルエンザの予防に役立つ可能性が示されました。

プロポリス研究③ 酸化ストレス 酸化によるダメージの緩和

鉄が茶色く錆びるのと同じように、体内で過剰に発生した活性酸素は、細胞などを酸化させ、傷つけてしまいます。酸化ストレスは、糖尿病や悪性腫瘍などの生活習慣病をはじめ、多くの病気に関係しているといわれてい
ます。健康維持のためには、酸化ストレスを減らし、ダメージを軽減することが重要です。
激しい運動で発生する酸化ストレスを、プロポリスを飲用することで緩和できるかどうか、酸化ストレスを受けやすい血中アルブミンの酸化状態を調べました。その結果、下のグラフのとおり、5日間継続してプロポリスを含む錠剤を飲用したグループは、プラセボを飲用したグループに比べ、酸化ストレスが緩和されていることがわかりました。

5日間継続してプロポリスを含む錠剤を飲用したグループは、プラセボを飲用したグループに比べ、酸化ストレスが緩和されていることがわかりました。

プロポリス研究④ スギ花粉症 花粉症の発症を遅らせる!

今や国民病ともいわれる花粉症。この試験では、プロポリスの飲用によってスギ花粉症が軽減されるかを検証しました。
軽度のスギ花粉症の患者80名を4グループに分け、プロポリスを低・中・高用量含む錠剤と、含まないプラセボをスギ花粉の飛散前から12週間、毎日飲用してもらいました。
その結果、中用量と高用量のプロポリスを飲用したグループで、花粉症の発症が遅くなりました。また、高用量飲用したグループでは、鼻づまりの発症率が低下しました。

中用量と高用量のプロポリスを飲用したグループで、花粉症の発症が遅くなりました。また、高用量飲用したグループでは、鼻づまりの発症率が低下しました。

ローヤルゼリー研究 冷え症 ローヤルゼリーの2週間飲用で冷えた指先の温度が早く回復!

冷え症は、若年者から高齢者まで多くの女性を悩ませています。その症状は、手足の先や腰などに耐えがたい〝冷え〟を感じるだけでなく、肩こり、便秘、肌荒れなどにもつながり、生活の質を下げる原因になっています。
そこで、ローヤルゼリーの飲用が冷え症の改善に役立つかを調べる試験が行われました。

試験方法

冷え症と診断された女子の大学生と大学院生24人を被験者としました。

①被験者を次の3グループに分けた。

(A)プラセボ()飲用
(B)ローヤルゼリー低用量(生換算4200㎎/日)飲用
(C)ローヤルゼリー高用量(生換算8400㎎/日)飲用

※プラセボ 被験者が「有効成分が入っている」と思い込む影響(プラセボ効果)を除くために用いられる偽薬や試験食。ここでは、見た目はプロポリス入りのカプセルと同じだが、プロポリスを含んでいないカプセルのこと。

②2週間飲用後に、両手を水に浸して温度を下げる「寒冷ストレス負荷」をかけてから、6分後の手指の表面温度を計測。

結果

ローヤルゼリーを飲用した(B)グループ、(C)グループは、どちらもプラセボを飲用した(A)グループよりも手指の温度が早く回復しました。
この結果から、ローヤルゼリーの飲用によって冷え症を改善できる可能性が示されました。

ローヤルゼリーを飲用した(B)グループ、(C)グループは、どちらもプラセボを飲用した(A)グループよりも手指の温度が早く回復しました。

蜂の子研究 免疫力 蜂の子の飲用でNK細胞が活性化免疫力を高める可能性!

NK細胞は、体内に侵入したウイルスなどの有害なものを発見し、攻撃する免疫細胞です。NK細胞が活発に働くことができるほど、初期の免疫力が高いと考えられます。
蜂の子粉末の飲用によって、NK細胞を活性化できるかを調べる試験が行われました。

試験方法

平均年齢67.5歳の男女12人を被験者としました。そのうち10人は、普段から「疲れやすい」という自覚症状がありました。

①蜂の子粉末250㎎入りのカプセルを1日2粒、2週間飲用。
②飲用前後にNK細胞の働き(NK細胞活性値)を測定した。

結果

飲用前のNK細胞活性値は、基準下限値の17.1より下回っていましたが、飲用後は基準下限値を上回る24.1に増加していました。
この結果から、蜂の子の飲用によってNK細胞が活性化し、免疫力を高める可能性が示されました。

蜂の子の飲用によってNK細胞が活性化し、免疫力を高める可能性が示されました。

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