糖尿病は、合併症の病気といわれているほど、合併症を
引き起こすケースが多い病気です。合併症とは、その病気が
もとになって起こる別の病気や症状のこと。血糖コントロールが悪く、
高血糖が続く糖尿病の場合、血管そのものが悪影響を受け、
さまざまな臓器に異常が起こり、合併症を引き起こしてしまうのです。
糖尿病には、3大合併症とよばれている糖尿病神経障害、糖尿病網膜症、
糖尿病腎症があり、血糖コントロールをしないでいると、糖尿病発症時から
10〜15年でこれらの合併症が出てくるといわれています。
この3大合併症の他にも脳梗塞、脳卒中、心筋梗塞、皮膚の病気、感染症、
下肢閉塞性動脈硬化症なども糖尿病の慢性合併症としてあげられます。
糖尿病はもちろん、合併症を防ぐためにも、食生活をはじめとする
生活習慣に注意し、血糖値を良好に保ちたいですね。
糖尿病の3大合併症
- 糖尿病神経障害
- 合併症の中で最も早く出やすいといわれています。症状の多くは、末梢神経に現れ、その症状は手足のしびれであったり、けがややけどの痛みに気づかなかったり、さまざまです。自律神経がダメージを受けると、筋肉の萎縮、筋力低下や胃腸の不調、立ちくらみ、発汗異常、インポテンツなどさまざまなトラブルを引き起こします。手足のけがなどに気付かないで、菌が侵入すると、細胞がえ死し、最悪の場合切断しなければならないなど、放置するととてもおそろしい障害です。
- 糖尿病網膜症
- 目の底にある網膜の血管が悪くなり、視力が低下します。失明や白内障になる人も多く、年間3,000人以上が、糖尿病網膜症により視覚障害者になっているとも言われています。
- 糖尿病腎症
- 腎臓が尿を作る働きに障害が起こり、悪化すると人工透析が必要になります。そうなってしまうと、週に2〜3回、病院などで透析を受けなければならず、さらに、人工透析を5年ほど続けると、腎移植が必要となるケースが多く、日常生活にも大きな影響を及ぼしてしまいます。現在、人工透析になる原因の1位が、この糖尿病腎症です。