メリンジョは、レスベラトロール二量体(グネチンC)を豊富に含んでいます
メリンジョの種には、レスベラトロール類(スチルベノイド)というブドウにも含まれるポリフェノールが豊富に含まれています。中でもレスベラトロールの二量体“グネチンC”を多く含むことが特長です。
このレスベラトロール二量体と、レスベラトロール二量体の配糖体“グネモノシドA”、“グネモノシドD”などのポリフェノール類を、“メリンジョ由来レスベラトロール”と呼んでいます。
数年前に、フレンチ・パラドックス※1の要因がブドウのポリフェノール(レスベラトロールなど)にあるとされ、赤ワインブームで一躍脚光をあびたポリフェノール。2006年に学術誌『ネイチャー』に「レスベラトロールは、高カロリー食群の健康を増進させ、寿命を延長させる」※2という記事が掲載されました。それ以来、赤ワインに含まれるポリフェノールの一種・レスベラトロールが注目を集めることになりました。
レスベラトロールは、植物が病害虫や悪天候などから身を守るために作る物質として知られています。植物でレスベラトロールを多く含んでいるものとして、ぶどうの皮、種子や新芽、ピーナッツの薄皮等があります。
“メリンジョ由来レスベラトロール”は、ブドウに含まれるレスベラトロールと同様に強い抗酸化力を持ち、動脈硬化防止作用をはじめ、抗ガン、アルツハイマー病や成人病の予防にも有用性があるとされ、予防医学の視点からも研究が進められています。
※1
フランス人は高脂肪、高カロリーの食習慣があるにもかかわらず、他国に比べて心筋梗塞や狭心症などの心臓疾患での死亡率が低い。この矛盾は、フレンチ・パラドックスと呼ばれており(Lancet, 339 (8808), 1523-26,(1992))、その要因として赤ワインに含まれているポリフェノール(レスベラトロールなど)の抗酸化作用があげられている。(Nat Rev Drug Discov, 5(6), 493-506 (2006))
※2
高カロリー摂取群のマウスの半数に、レスベラトロール5.2 mg/kg/日、もう半数に22.4 mg/kg/日を投与し得られた実験結果。人間に当てはめると、1日100本以上の赤ワインを飲まなければならず、愛飲者といえども不可能な量である。そこで現在、アメリカではレスベラトロール高含有のサプリメントが市販されている。
ポリフェノール | 食品例 |
---|---|
フラボノイド | 茶、ブドウ、ソバ、紫芋、カカオ、大豆など |
スチルベノイド(レスベラトロールなど) | ブドウ、メリンジョ、山芋、ピーナッツの薄皮など |
その他 | コーヒー、マンゴスチン、ラズベリーなど |
レスベラトール類 | (%) |
---|---|
レスベラトロール二量体(グネチンC) グネモノシドD(レスベラトロール二量体配糖体) グネモノシドA (レスベラトロール二量体配糖体) レスベラトロール |
6.09% 0.87% 0.60% 0.18% |
WHO(世界保健機関)の発表(2010年)によると、インドネシアの平均寿命は男性が66歳、女性が69歳です。
それに対して、メリンジョの収穫量が多いジョグジャカルタ特別州の平均寿命は男性が71歳女性が74.9歳でした。
ジョグジャカルタ特別州は、首都ではなくジャワ島の中でも衛生環境のレベルが高い地域ではありませんが、ジャワ文化の中心地でメリンジョを「王室の食べ物」として大切に食べてきた歴史を持ちます。
このことから、私たちは、メリンジョの消費量と寿命に何らかの関係があるのではないかと考え、“メリンジョ由来レスベラトロール”に注目しました。
長寿遺伝子「サーチュイン」が発見されてから10年が経ちました。このサーチュインを活性化させる物質のひとつとして注目されているのがブドウやメリンジョに含まれるレスベラトロールです。
ジョグジャカルタ特別州の平均寿命の長さにメリンジョ由来レスベラトロールがどのように関与しているのか。また、アンチエイジングや長寿に、メリンジョ由来レスベラトロールが生かされるのではないかと研究への期待が高まっています。
今後メリンジョ由来レスベラトロールの有用な作用やメリンジョ由来レスベラトロールとレスベラトロールの違いなど、様々な角度から解明し、報告してまいります。