レスベラトロールの健康作用

メリンジョには、ブドウに含まれるレスベラトロールと同じ“トランス-レスベラトロール”や、トランス-レスベラトロールが2つくっついた形をしている“グネチンC”など、数種のレスベラトロール類が含まれています(以下の文中に出てくるレスベラトロールは、“トランス-レスベラトロール”を指します)。このレスベラトロールは、2006年に寿命延長作用が報告されたことから健康に良い成分として注目を集め、世界中で多くの研究が進められています。レスベラトロールの良さを科学的に裏づける研究成果も続々と報告されていますので、その一部をご紹介します。

1. レスベラトロールは健康寿命を延ばす

私たち人類は長寿を願ってさまざまな試みを行い、医療技術や医薬、食品の分野を発達させてきました。
最近明らかになった方法は、「摂取するカロリーを制限すること」で、「サーチュイン」という酵素が関わっていると言われています※1。サーチュインは大腸菌からヒトまでの幅広い生物が持っている、生命に関わる大切な酵素で、長寿遺伝子と呼ばれていますが諸説あり、一説には遺伝子をコントロールすることによって寿命を延ばすと考えられています。ただ、過剰にカロリーが摂取されていると働かないという特徴があります。つまり、健康に長生きをするためには、「摂取するカロリーを制限し続けること」によって、サーチュインが活発に働くようにし続けなければなりません。

ところが、カロリー制限をしなくても寿命が延長される画期的な方法が、2006年、科学雑誌『Nature』で発表されました※2。それが「レスベラトロールの摂取」なのです。

高カロリー食を与えたグループの寿命は、通常食を与えたグループよりも短くなってしまいます。しかし、高カロリー食とレスベラトロールの混合食を与えたグループでは、高カロリー食のみを与えたグループよりも寿命が延び、通常食を与えたグループと同じレベルになったのです。

2. レスベラトロールは生活習慣病を予防する

現在の日本は、65歳以上の高齢者の総人口に占める割合が14 %を超える「高齢社会」となりました。その一方で、生活習慣病や血管疾患、癌、アレルギー疾患などの病に悩む人は増え続けています。そのため、「ただ長く生きる」というだけではなく、「健康に長く生きる」という、生活の質に注目した“健康寿命”が注目されています。レスベラトロールについても、単に寿命を延ばすたけではなく、“健康寿命”を延ばすための働きを持っているかどうかを調べる研究が、世界中で行われています。
先ほど紹介した2006年の研究では、レスベラトロールが生活習慣病に与える影響についても調べられています※2。血液を検査したところ、日常的に高カロリー食を与えたグループでは、空腹時のグルコース摂取後60分でも糖やインスリンの値が他のグループより高いままであったことから、糖尿病の兆しを示していることがわかりました。

高カロリー食とレスベラトロールの混合食を与えたグループでは、空腹時のグルコース摂取後の糖やインスリンの値は、通常食を与えたグループと同じレベルでした。これは、高カロリー食による血糖値やインスリン値の上昇が、レスベラトロールの摂取によって抑えられたことを示しています。また、別の研究では、高カロリー食とレスベラトロールの混合食を与えたグループの脂肪の量が、高カロリー食のみを与えたグループよりも少なくなっており、脂肪の合成や蓄積に関わる酵素の働きも抑えられていることがわかりました※3
長生きするためとはいえ、食べたいものを常に我慢してカロリーを制限し続けるのは難しいことです。しかし、レスベラトロールを食生活に取り入れることによって、私たちも、日々の食事を楽しみながら生活習慣病を予防し、寿命を延ばすことができるかもしれません。

3. レスベラトロールは血液の流れをスムーズにする

心疾患と脳血管疾患は、日本人の死因の約3割を占める重大な血管疾患ですが、これらを予防するためには、動脈硬化を防ぐ必要があります※4。この動脈硬化予防についても、2010年にレスベラトロールを用いた研究が行われました※5
この研究では、血管拡張反応(FMD)に焦点を当てて、レスベラトロールに動脈硬化を予防する作用があるかどうかを評価しています。FMDとは、血管の最も内側の層である血管内皮が、どれほどしなやかに伸びたり縮んだりできるかを測る指標で、FMDが低いと、動脈硬化が発生しやすくなると言われています。血管内皮は、血管の柔軟さを調節したり、血栓の形成を抑制したりするなど、血管の健康状態を維持する上で重要な役割を果たしているためです。

試験では、BMIが高めの男性や、血圧が高めの閉経後の女性、計19名に、レスベラトロールを異なる濃度で含むカプセルを摂取してもらいました。そして摂取45分後に被験者の腕をバンドで縛って血液を流れにくくした上で、バンドを外して通常の血流を再開した際に血管が拡がった割合を超音波によって診断、FMDを算出しました。さらにその1週間後に、今度はレスベラトロールを含まないカプセルを摂取してもらい、同様の測定を行いました。

レスベラトロール摂取による血管拡張反応(FMD)の向上

その結果、摂取したレスベラトロールの量が増えるにしたがって、FMDの値が高くなる傾向が見られました(図)。このことから、レスベラトロールが動脈硬化を防ぎ、心疾患や脳血管疾患といった疾患の予防に役立つことが期待できます。
脳の機能に関係した研究もあります※6。健康な成人22名に、レスベラトロールを異なる濃度で含むカプセルを摂取してもらい、摂取45分後に、認知機能テストを行ってもらうとともに、脳の血流量を測定しました。さらにその1週間後に、今度はレスベラトロールを含まないカプセルを摂取してもらい、同様の測定を行いました。
その結果、認知機能には影響が見られなかったものの、レスベラトロールの摂取量が増えるにしたがって、脳の血流量が増えることがわかりました。脳の血流量は、脳の機能と関係しているため、今後の研究によって、レスベラトロールが認知症やアルツハイマーといった疾患に与える影響も明らかになっていくでしょう。

参考文献
※1
Lin et al., Science, 289(5487), 2126 (2000)
※2
Baur et al., Nature, 444(16), 337 (2006)
※3
Alberdi et al., Nutr Metab, 8(1), 29 (2011)
※4
厚生労働省 大臣官房統計情報部人口動態・保健統計課, 平成21年人口動態統計月報年計(概数)の概況 (2010)
※5
Wong et al., Nutr Metab Cardiovasc Dis, Novi21(11):851-6(2011)
※6
Kennedy et al., Am J Clin Nutr, 91(6), 1590 (2010)

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