山田養蜂場運営の研究拠点「山田養蜂場 健康科学研究所」が発信する、情報サイトです。ミツバチの恵み、自然の恵みについて、予防医学と環境共生の視点から研究を進めています。

はちみつ ミツバチの一生を賭けた、スプーン一杯のやさしさ

昔から世界中で、健康づくりや効率的なエネルギー補給のために力を発揮する「はちみつ」。みっちの好奇心に、ハチロー博士が詳しく解説します。

はちみつの甘さと栄養成分

みっちとハチロー博士 プロフィール
ハチロー博士: おっ、ハニー・トーストかい?おいしそうだな。
みっち: はちみつって甘さがやさしくて、大好き。でも、お砂糖となんか違うの…。
ハチロー博士: その通り。白砂糖は「ショ糖(スクロース)」のみだが、はちみつは「ブドウ糖(グルコース)」と「果糖(フルクトース)」という糖が主成分で、他にも多くの栄養素がふくまれているんだ。

【はちみつの成分】

グルコース・フルクトース・マルトース 他
有機酸 グルコン酸
酵素 ジアスターゼ ・ホスファターゼ
ビタミン ビタミンC・ビタミンB1・ビタミン B2・ナイアシン
ミネラル ナトリウム・リン・鉄・カルシウム・カリウム・マグネシウム・銅・亜鉛・マンガン
アミノ酸 バリン・ロイシン・イソロイシン・アラニン・アルギニン・リジン・アスパラギン酸・グルタミン酸・プロリン・スレオニン・メチオニン・ヒスチジン・フェニルアラニン・チロシン・グリシン・セリン
ポリフェノール カフェ酸・p-クマル酸・フェルラ酸・ケンフェロール・クリシン・ケルセチン・p-ヒドロキシ安息香酸・バニリン酸・バニリン・シリングアルデヒド・ガランギン
みっち: はちみつってすごく栄養たっぷりなのねぇ~。でも、やっぱりカロリーは気になるな。
ハチロー博士: そうだね。でもじつは、白砂糖に比べて、はちみつのカロリーは意外と低いんだよ。それに、甘さを感じやすいので、白砂糖の半分の量で、同じくらいの甘さを感じられるといわれているんだ。最近では、はちみつのなかでも種類によっては低GI、つまり食後の血糖値の上昇がおだやかなものがあることもわかっているんだよ。

はちみつは砂糖よりも低カロリー

はちみつの糖分は、ブドウ糖(グルコース)と果糖(フルクトース)です。でも、ミツバチたちが訪れる花の蜜のおもな成分はショ糖(スクロース)で、白砂糖と同じ。ミツバチは花蜜のショ糖を体の中の酵素で分解して、ブドウ糖と果糖にしているのです。

複数の糖分が混ざっていることと、はちみつならではのとろみが、砂糖よりやさしい味わいを作り出しています。また、上白糖が100g当たり384 Kcalであるのに対して、ハチミツは294 Kcalと低カロリーです。

みっち: グルコース、フルクトース…なんだかむずかしい言葉がいっぱいね…。
ハチロー博士: そんなときにも、はちみつはいい。長時間の勉強でアタマが疲れたときにも、脳にエネルギーを補給してくれるんだ。

はちみつは優れたエネルギー源

はちみつのブドウ糖には、エネルギーとして代謝されるのが早いという特長があります。ブドウ糖と果糖は、ともに「単糖類」と呼ばれ、これ以上分解される必要がないため、体に入るとすばやく吸収され、エネルギーに変換されるのです。食後約20分で体に吸収されるので、胃腸への負担も軽くすみます。また、はちみつは、脳へのエネルギー供給にも優れています。体の部位によってエネルギー源となる栄養素は異なりますが、たとえば心臓を動かす筋肉では主に脂肪酸、骨を動かす骨格筋では脂肪酸とブドウ糖の両方が使われます。

そして、脳のエネルギー源になるのは、ブドウ糖だけなのです。
比較すると、ブドウ糖は非常にすばやく、果糖はブドウ糖より長い時間をかけてとりこまれます。つまり、はちみつの主成分の単糖類は、早く吸収され、脳を助け、長く効率よく働くエネルギー源になってくれるというわけです。

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