“王の”“王家の”という高貴な形容詞を冠するローヤルゼリー。ここでは、その神秘的な力について、科学的な根拠を基に説明します。
飛行機の離陸・着陸時や、高層ビルのエレベーターに乗ったときなど、一時的に「ボー」もしくは「キーン」という耳鳴りを感じることがあります。これは大気圧と鼓膜の内側の空気圧との差が原因で、不快に感じはしますが、ほとんどの場合、唾を飲み込むなどすればすぐに解消できます。また、音の全くない静かな場所で、何か音が聞こえている感覚をもたれた経験のある方も多いのではないでしょうか。これは体内の音が耳鳴りとして聞こえているのです。これらのような耳鳴りは、聴力に異常をきたすものではありません。ところが、一時的でなく、日常的に耳鳴りに悩んでいる方は聴力を測定してみると、その90% に聴力の障害が見つかるといいます※1。
さて、ここで言う耳鳴りとは、「外界に音を出しているものが無いのに、自分にだけは音が聴こえている症状」のことです。耳鳴りに悩まされている人の割合は、2007年の厚生労働省の調査によると、何らかの病の自覚症状をもつ人の9.2 %、65歳以上では14.1 %にものぼります※2。
耳鳴りの原因は実にさまざまです。耳は、外界の音を集め、鼓膜に振動を伝える「外耳」、鼓膜の震えを耳小骨に伝える「中耳」、蝸牛やリンパ液を経て聴神経へ伝える「内耳」から構成され、(下図参照)これら全体で「耳」の役割を果たしています。耳鳴りは、音ではなく、何らかの原因によって、外界の音が遮断される分、体内の振動が聞こえてくると考えられています。
耳垢や耳の周りの筋肉の痙攣であったり、難聴や中耳炎、内耳炎、メニエール病、聴神経にできた腫瘍といった耳に関連した病気、さらに高血圧や高脂血症、糖尿病、更年期障害が関連して起きるとの報告もあります※3,4。
このうち難聴ひとつとっても、老化や騒音、薬の副作用など複数の原因がありますので※4、問題はさらに複雑です。一方、はっきりとした原因がわからない場合も多く、精神状態によって耳鳴りが気にならなかったり、ひどく気になったりということも起こります※3。
しかも耳鳴りは、集中力の低下や不眠を引き起こし、イライラ、うつ状態などの精神的なストレスを感じさせるため、最終的に生活の質の低下を招いてしまう重大な問題です。さらに、耳鳴りは自分にしか聞こえないため、そのつらさは周りの人に理解されにくく、そのことがストレスとなり症状がひどくなることもあるのです。
現在、耳鳴りにはいくつかの治療法が試みられています。
薬を使う方法では、主に内耳の血行を促進する作用をもつ薬が用いられます。ただし、食欲不振やかゆみ、便秘などの副作用が起きる場合があります※4, 5。
薬物以外の治療法としては、TRT(Tinnitus Retraining Therapy:耳鳴り順応療法)が知られています。しかしこれは耳鳴りそのものを解消するのではなく、耳鳴りを「不快な音」から「気にならない音」へと順応させることで苦痛をやわらげる方法で※6、2008年に行われたヒト試験では一定の効果が認められたものの、器具の装着になじめずに、試験を始める前や試験の最中に諦めてしまった人が約半数にも及んでいます※7。
さらに、耳に直接働きかけるものではありませんが、不眠やうつ状態といった精神面での問題を解消するために、睡眠薬や精神安定剤が使われたり、カウンセリングなどが行われたりすることもあります※2, 3。しかし、これらの方法は、時間が掛かり、耳鳴り自体が改善するものではありません。
このように耳鳴りにはたくさんの治療法がありますが、どれも一長一短あり、また、どの治療法がふさわしいのかは原因によって違いますので、一概には決められません。
近年、ローヤルゼリーを愛飲されている方から「耳鳴りが改善した」とのお声が寄せられました。日常生活で手軽に摂取できるローヤルゼリーにそのような効果があれば、耳鳴りに悩む方の生活の質の改善に大いに役立ちます。そこで、ローヤルゼリーによる耳鳴りの改善効果を科学的に調べる試験が行われました※8。
この試験では、耳鳴りを感じている人(24名)を2グループに分け、一方には1日に700 mg、もう一方には1日に2,800 mgのローヤルゼリーを8週間毎日摂取させました。前者のグループを低用量群、後者を高用量群とします。そして試験開始から4週間後と8週間後に、主観的な評価として自覚症状を調べるアンケートを、客観的な評価として外界の音が聞こえるかを調べる検査と、耳鳴りの大きさや高さを調べる検査を組み合わせた機器測定を行いました。
試験後、医師による試験データの総合的な評価を行ったところ、耳鳴りの改善率が低用量群で25.0%、高用量群では88.3%との結果が得られました。特にアンケートの結果、高用量群で、自覚症状の最も大きなポイントとなる「耳鳴りの大きさ」が8週間後に、また、「耳鳴りの気になり方」が4週間後および8週間後に、統計的に確かに改善したことがわかりました。機器測定においても、高用量群の4週間後の改善率は3人に1人と高いものでした。
以上のことから、ローヤルゼリーには耳鳴りを改善する作用があると考えられ、特に高用量のほうが低用量よりも有効であることが示されました。また試験期間中に副作用は発生せず、ローヤルゼリーの安全性の高さも改めて確認できました。
耳鳴りには危険な病気が潜んでいることもありますので、まずは医師の診察を受けることが重要であることは言うまでもありませんが、ローヤルゼリーが、耳鳴りに悩む人の生活の質の改善に役立つことも期待できるでしょう。