プロポリスとはミツバチが作り出す天然の抗菌・抗生物質。
この貴重な自然の恵みが持つ多くの有用成分は、健康価値が高く、世界中から評価されており、その驚きの効果に注目度が高まっています。
最新の研究により、プロポリスに、「花粉症やアトピー性皮膚炎、ぜんそくによるアレルギー疾患や、かぜ、インフルエンザ、肥満・メタボ、老化・認知症を予防する働きがあること」がわかりました。プロポリスが各症状を改善するその働きについて、科学的な根拠と共に、詳しく見ていきましょう。
花粉症の悩みを解決!
天然の抗菌・抗生物質。ミツバチが集めた、さまざまな樹木の新芽や樹脂(ヤニ)や樹液、花粉、ミツバチの唾液とミツロウなどからできています。樹木や植物の樹脂には、芽を保護したり、傷んだ幹を修復する作用があり、ミツバチは巣を守るため、集めた樹脂を原料にプロポリスを作り、巣の入り口や、巣穴の壁、すき間にプロポリスを塗りつけて、菌やウイルスなどから巣を守るために活用しています。
巣に塗られたプロポリス
毎年、秋口から5月上旬ごろまで、全国で猛威をふるうインフルエンザ。免疫力の低下している高齢の方や小児では、重い合併症に陥ることも少なくありません。
また、昨今では、新型インフルエンザ発生のニュースが不安をかきたてています。
プロポリスの抗インフルエンザ機能については、すでに国内外に研究成果がありますが、最近、新型インフルエンザウイルスに対しても、抑制作用があることがわかりました。
肥満は心臓や血管に負担をかける、生活習慣病の根本原因です。そのカギは、体内の「脂質代謝」、つまり摂った脂肪分の吸収、分解から、血中のコレステロールなどの脂質の量を調整するシステムが握っています。
ブラジル産プロポリスは、脂質代謝を改善して、体脂肪を減らし、血清脂質や体内の脂肪量を低下させることが研究で明らかになり、生活習慣病予防の観点から期待が持たれています。
培養細胞に季節性または新型のインフルエンザウイルスを添加し、同時にブラジル産プロポリスの水抽出エキスを加えて3日間培養後、生き残った細胞の数を測定。
何も加えない場合には、3日後には細胞はほとんど死滅しますが、プロポリスの水抽出エキスを0.04%(w/v)以上加えた場合には、新型インフルエンザであっても細胞は100%生き残り、プロポリスがインフルエンザウイルスによる傷害から細胞を守ることが確認されました
※生き残った細胞の割合は、ウィルスを加えなかった場合を100%として算出。
風邪もまた、咳や鼻水、だるさなど不快な症状がつづく上、高齢の方や幼児では肺炎や気管支炎、ぜんそくなど重篤な病気を引き起こすこともある"万病のもと"。誰もが、あのなかなか治まらない苦しさやだるさから一刻も早く解放されたいと願うものです。
そのような中、プロポリスは風邪の治りを早くし、体のだるさを軽減する作用があるという実験結果がありました。
成人男女59名 (20~70歳) を、2グループに分け、一方にはブラジル産プロポリスエキス (450 mg) を含むソフトカプセル、もう一方にはプラセボ(偽薬)として、プロポリスエキスを含まないソフトカプセルを60日間継続して投与しました。
試験期間中、被験者には風邪の自覚症状(体のだるさ、喉の痛み、頭痛、腹痛、下痢、吐き気など)の有無に加え、自覚症状がある場合は、その程度を軽症の"1"から重症の"5"までの点数で評価して、毎日日誌に付けてもらい、試験終了後に詳細な分析を行いました。
その結果、風邪が治るまでの日数が、プラセボ群では平均3.3日であったのに対して、プロポリス群では平均2.0日と、プロポリスを摂ることで風邪が治るまでの日数が短くなることが確かめられました。(図1)
また、症状についてもプロポリスを飲用することで大幅に軽減することが確かめられました。(図2)
被験者が体のだるさを点数化した結果は、プラセボ群に比べ、プロポリス群は大幅に軽減していることが見て取れました。
花粉荷含有プロポリス食品を用いて、軽度のスギ花粉症の患者24名を対象にしたプラセボ対照二重盲検試験を行いました。
被験者を2グループに分け、一方には「花粉荷含有プロポリス食品」(花粉荷エキス20 mg・ブラジル産プロポリスエキス20mgを含有)6粒、一方にはこれらを含まないプラセボ(偽薬)※を、スギ花粉飛散開始4週間前より12週間摂取してもらい、治療薬の使用について日誌によるアンケートに回答してもらいました。
アンケート調査の結果から治療薬の強さと使用頻度を示す「花粉症治療薬使用スコア」を算出し、花粉荷含有プロポリス食品のスギ花粉症に対する作用を評価しました。
※プラセボ(偽薬)とは、有効成分を含まない薬のことです。
花粉症治療薬の使用が減少
試験中に治療薬を使用しなかった方は、花粉荷含有プロポリス食品を摂取したグループでは13名中9名(約69%)、プラセボを摂取したグループでは11名中2名(約18%)となりました。
また、花粉荷含有プロポリス食品を摂取したグループでは、花粉飛散開始後の花粉症治療薬の使用スコアが小さくなりました。
このように、スギ花粉飛散前からの花粉荷含有プロポリス食品の予防的な摂取により、花粉症治療薬の使用を減らすことができました。これらの結果は、花粉症治療薬の問題点である眠気や口・眼の乾燥感などの副作用の軽減に繋がることから、花粉荷含有プロポリス食品の摂取は花粉症に悩む人々のQOL向上に役立つことが期待されます。
加えて、花粉症治療薬の使用の減少は医療費の削減に繋がると考えられ、社会全体として非常に有意義なこととも言えます。
花粉症が発症するまでの日数を延長させる
軽度のスギ花粉症患者80名を20名ずつの4グループにわけ、ブラジル産プロポリスを含む錠剤とプロポリスを含まないプラセボ錠(偽薬)を、それぞれスギ花粉飛散前から、プロポリスの摂取量を3段階設定して12週間摂取してもらいました。
その結果、ブラジル産プロポリス(300 mg/日以上)をとった群では、花粉症の発症を遅らせることができました。
(山田養蜂場/鳥取大学 2010年3月共同研究、論文発表)
鼻づまり発症率を低下させたプロポリス
また、最もプロポリスを多く摂った群(450 mg/日)では、摂取8週間後以降で鼻づまりの発症率が低下しました 。
つまり、スギ花粉が飛散する前からプロポリスを予防的に摂取することにより、花粉症の症状が軽減されたのです。
(山田養蜂場/鳥取大学 2010年3月共同研究、論文発表)
スギ花粉症患者の血液を用いて、試験管内で炎症関連物質(cys-ロイコトリエンなど)の量を測定した結果、ブラジル産プロポリスが炎症関連物質の放出を抑えていることが明らかになりました。この研究結果から、プロポリスがアレルギーの発症を抑えるメカニズムは右の図のように考えられています。
(山田養蜂場 健康科学研究所 2010年2月論文発表)
炎症関連物質・cys-ロイコトリエンは、鼻づまりを起こす物質ですが、気管支喘息の原因であるともされているので、今後の研究が期待されます。
免疫反応により皮膚や粘膜に放出される「ヒスタミン」は、かゆみや炎症を生じさせる物質です。ヒスタミンを放出させる試薬を用いて、かゆみを生じさせ、背中をひっかく回数からかゆみの強さを測定したところ、プロポリスを投与した群でかゆみが軽減しました。
プロポリス(1000mg/kg 体重/日)を事前に1回食べさせた場合と、より少量のプロポリス(500mg/kg 体重/日)を4週間続けて食べさせた場合のいずれもかゆみは軽減されました。
また、プロポリス(1000mg/kg 体重/日)を4週間続けて食べさせた場合、かゆみがさらに軽減し、プロポリスの濃度に比例してヒスタミン放出が抑制されることもわかりました。
(山田養蜂場/岡山大学 2006年1月共同研究、論文発表)
肥満は心臓や血管に負担をかける、生活習慣病の根本原因です。そのカギは、体内の「脂質代謝」、つまり摂った脂肪分の吸収、分解から、血中のコレステロールなどの脂質の量を調整するシステムが握っています。
ブラジル産プロポリスは、脂質代謝を改善して、体脂肪を減らし、血清脂質や体内の脂肪量を低下させることが研究で明らかになり、生活習慣病予防の観点から期待が持たれています。
20%ラードをふくむ高脂肪食にブラジル産プロポリスを多く与えた高用量群では図に示した組織の脂肪量、血清や肝臓に含まれる脂質の減少が見られました。
そして、高用量のプロポリス摂取により、コレステロールを作るタンパク質の「HMG-CoA還元酵素」の量が減少することや、同時に行われた別の試験で、事前にプロポリスを投与すると中性脂肪の吸収量が減少することも確認されています。
これらのことから、プロポリスは、コレステロールの体内合成を抑え、脂肪の吸収を阻害するメカニズムにより、体内の脂肪を減少させているのではないかと考えられます。
放置すれば網膜症による失明や、壊疽、腎機能低下などの合併症を引き起こす糖尿病。米国の研究によれば、2型糖尿病にかかった場合、約2,000万円の医療費が必要になると試算されています。日本の糖尿病患者は、予備群を含めると約2,200万人、成人の約2割に該当する状況であり、もはや国民病といえます。
糖尿病予防は、いかに「予備群」の段階で歯止めをかけるかがポイントです。ローヤルゼリーとともに、ブラジル産プロポリスにも、糖尿病予備群の初期症状であるインスリン抵抗性(※インスリンが効きにくくなる異常な状態)を改善する機能があることが明らかになりました。
糖尿病予防は、いかに「予備群」の段階で歯止めをかけるかがポイントです。
そこで、糖の多い食生活によって悪化するインスリン抵抗性を予防できるか試験しました。
フルクトース飲料水(果糖)に加え、プロポリスを8週間与えると、インスリン抵抗性指数の上昇が正常なモデル(対象)と同程度に抑えられました。
つまり、プロポリスを健康な状態のときから継続的に飲用する“予防的な飲用”によって、インスリン抵抗性を抑える可能性が明らかとなったのです。
(注)対照:正常、果糖:フルクトース飲料水負荷モデル(インスリン抵抗性モデル)、プロポリス:プロポリスエキス飲用
(山田養蜂場/岡山大学大学院 2007年共同研究、論文発表)
体内で起こっている「酸化」とは、とりこんだ酸素の一部が活性酸素となって、細胞などを傷つけること。こうした"酸化ストレス"が、老化をひき起こす「体のサビ」であり、心臓病や脳血管障害、がんなどさまざまな病気を引き起こす要因になるといわれています。
人間は、これらの酸化を消去するための抗酸化機能をもっていますが、その機能は加齢とともに衰えます。
活性酸素は喫煙、大量の紫外線照射、飲酒、肉体的・精神的ストレスなどの要因でも発生します。また、激しい運動をすると内臓の血流量が減少して、送られる酸素が減るため、酸欠状態を回復しようと取り入れる酸素が増加し、発生する活性酸素も増加します。
今回の実験でプロポリスがヒトの過剰な運動負荷による酸化ストレスを緩和させる抗酸化作用を示すことがわかりました。
岐阜大学剣道部で、合宿初日の練習前に部員の血中の還元型アルブミンの割合を測定し、部員をプラセボ(偽薬)摂取群とプロポリス摂取群(ブラジル産プロポリスのエタノール抽出物52.5 mg/粒、15粒/日)に分けました。
そして、剣道の稽古をした4日間と稽古終了後の1日間の合計5日間について毎日2回、還元型アルブミンの割合を測定し、酸化型アルブミンの割合を算出しました。
すると厳しい稽古が始まると、ブラジル産プロポリスの効果があらわれ、プラセボ摂取群よりプロポリス摂取群の方が研究期間中、酸化型アルブミンの割合が少ないという結果が得られました。
被験者として実験に参加してくれたのは
11名(平均年齢20.1歳)で、
剣道の経験が平均12.4年の上級者
ちょっとした物忘れから、認知症への不安を感じることはありませんか。
認知症をはじめ、脳こうそくで生じるマヒ、脊髄損傷による下半身不随などは、いずれも脳や脊髄の神経が傷ついて機能しなくなっている症状です。
プロポリスに、こうした神経の修復をうながす機能があるのではないかと期待される知見が得られました。
基礎研究用の培養神経細胞(PC12m3細胞)の培養液に、プロポリスエキス(ブラジル産プロポリスのエタノール抽出物)と、プロポリスの主成分である桂皮酸誘導体の「アルテピリンC」を添加して7日間培養し、培養神経細胞から伸びた神経線維(神経突起)の本数と長さを測定したところ、プロポリスとアルテピリンCには、ともに顕著な神経突起の形成作用がみられました。
これは、プロポリスによって神経細胞が神経突起でつながり、新たな情報の伝達回路を作ることで、傷ついた神経が修復されて機能が回復する可能性に繋がる結果と考えられます。
さらに研究が発展すれば、認知症などの神経疾患に役立つ可能性があります。